写経とは「経文を書き写す行為」と「書写された仏典」を指します。
お経は口でとなえることで伝承されてきましたが、書き記されることが行われるようになり、「耳で覚える経典」から「目で読む経典」へと変化してきました。
古くはサンスクリット文字で伝えられたお経は中国に伝来し、漢訳され、その漢訳されたお経が日本に伝わりました。日本に伝わったのは637年と言われ、天皇や貴族や武士が盛んに行いました。
お経を書写することは、お経を伝えることに始まり、そこに書かれた教えをいただく修業としても行われてきました。写経で得られる功徳を願い、「祖先の供養」や「自己の福利」などを求めて今日も行われていますが、現代においては一心に集中して浄書するという修業が心を静めることにもつながることから、写経へ取り組む人も増えています。初めての方にはもちろん、折々に自分を見つめ直したい方にもおすすめです。
発願とは、その字のごとく「念願を発すること」であり、「仏に願いを託すこと」です。
武士の和田義盛とその妻は、戦乱の世にあって、亡き部下や戦相手の極楽往生に加え、自らの極楽往生も願い、浄楽寺の阿弥陀三尊及び不動明王・毘沙門天の造像を仏師運慶に依頼しました。
その依頼を受けて運慶は5尊を造像し、その願いが叶うようにと、仏像の中に心月輪を納め、仏像を仏たらしめようとお魂入れを行いました。
運慶よりものちの時代には、仏像の中に品物を納める習慣がさらに広まり、仏像を拝する参拝者や檀信徒は、時には像内に小さな仏像を納めたり、自らが浄書した写経を納めたりするなどして仏に願いを聞き入れてもらえるようにと発願しました。
運慶に習い写経や仏を作ることを通じて、自らの願いを仏に届ける体験ができます。
心月輪とは、満月を表す円に浄土の蓮を描き、中心に仏を表すサンスクリット文字を記したものです。悟りを開いた自らの心は円明無垢の月輪であると考え、仏にも同じく心に月輪があると考えて、その心の月輪が自分の心の月輪とつながったときに、仏と一体になれるといわれています。
浄楽寺にある運慶仏の像内に奉納されていた月輪形木札には、製作の日付や、製作者運慶や発願者和田義盛夫妻の名とともに、仏像の力をいちじるしく高める陀羅尼が書写されています。運慶はこの心月輪をあらわした木札を仏像内の中心に据えることで仏に魂が込められ、
それが単なる像ではなく仏となることを願いました。心月輪とは仏と自分とを繋ぐものであり、仏に込めた魂そのものなのです。
仮想空間にいる仏像にあなたの願いを届けることです。
写経として心月輪に書いた願いを仏に納めるという実際にはできない体験ができます。
日本初で新感覚のバーチャル発願をあなたも是非試してみませんか?
発願修行では、運慶一派が行った運慶願経の作法に則り、往時の作法で発願紙に願い事を書き仏に奉納します。
体験を行う前に身を浄める「塗香作法」「心を整える瞑想」を行います。
発願紙に願い事を浄書します。書き終えたらバーチャル空間で奉納します。
※体験では漢字を書きます。
※汚れないように、エプロンを着用いただきます。
※体験が終了したら、実際の運慶仏を拝観いただきます。
※荒天の際は文化財保護の観点で仏像の拝観ができません。